シンプル英語のココロ

独学で米大学・MBAを卒業するに至った英語勉強法の紹介とアメリカでの経験に基づく所感

プレイン・イングリッシュ

英語は能動態と強い動詞を使うと伝わりやすい -「プレイン・イングリッシュの紹介と実践方法」 その2

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プレイン・イングリッシュの使い方

それではプレイン・イングリッシュの具体的な使い方についてご説明して行きます。

前回の記事でご紹介した2つのPDFを読んで、私が学んだことや、プレイン・イングリッシュの使い方について以下にまとめてみました。

これらのPDFでは、主に書き言葉に言及していますが、プレイン・イングリッシュの用法はスピーキングにも応用できると思います。

また、私は、これこそが私達日本人の英語学習者が体得すべき英語表現だと思います。

上記2つのPDFを読んで、プレイン・イングリッシュのルールを15の用法にまとめましたので、3回の記事に分けて書きたいと思います。

ルール1:能動態と強い動詞を使う

強い動詞を使うことで、文章がいきいきとして、引き締まった感じがでます。その結果として、伝えたい情報が一読で分かるようになります。

弱い動詞の例として挙げられるのは「be動詞」や「have」です。これらの弱い動詞を使うことで、文章が受動態になったり、余計な単語を使うことになります。結果として長い文章になり、読み手にとって理解しにくい文章になります。

弱い動詞を使うことで、文法的に好ましくない状況が生じます。つまり、「受動態」と「隠れた動詞(hidden verbs)」の使用です。この好ましくない2つを使用することで、必要以上に文章が長くなったり、意味が分かりにくくなります。

能動態を使う

能動態を使うことで、「誰が」「何をする」という関係がより鮮明になりますので、曖昧な文章を回避することができます。

一方、受動態の文章においては、しばしば「誰が」「何をする」という関係が曖昧になる場合があります。

例文1

受動態
The stock is bought by the investor.

上記の受動態では、主語は"The stock"になります。そして、それを購入する人物を表現するために、"by"という単語を追加しなければなりませんので文章が長くなってしまいます。

能動態
The investor buys the stock.

上記の能動態の文章では、主語である"The investor"と、その株を購入する行為である"buying the stock"の関係が明瞭です。

上記の2つの文章はどちらも同じ意味になりますが、明らかに能動態の文章の方が短時間で理解できると思います。

(引用元:A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents, P19)

例文2

受動態
New regulations were proposed.
能動態
We proposed new regulations.

受動態では、誰が新しい規制を施行したのか分かりませんが、能動態にすることで「誰が(この場合、政府機関)」新しい規制を施行したのかが明らかになります。

(引用元:Federal Plain Language Guidelines, P20)

例文3

受動態
Bonds will be withheld in cases of non-compliance with permits and conditions.
能動態
We will withhold your bond if you don't comply with all your permit terms and conditions.

こちらの例文も同じで、受動態の場合、主語である債券(Bonds)は誰が保有するのかが分かりません。しかし、能動態にすることで、債券の所有者(この場合、金融機関)が明らかになります。

(引用元:Federal Plain Language Guidelines, P20)

ただし、"A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents"では、「すべての文章を能動態で表現しましょう」と言っているのではなく、場合によっては受動態の使用もOKとしています。

受動態を使う時とは、「人やモノ」が文章で重要な地位を持たない場合です。それ以外は能動態で表現することを奨励しています。

強い動詞を使う

数多くの英文に触れていると、"to be"や"to have"といった弱い動詞を使っている文章に出会うと思います。

これらの動詞を使っている文章は、「動詞に置き換えることができる名詞」を使っている場合が多くあります。

これらの文章では、動詞から派生した名詞を使っているので、動詞が名詞化している、つまり隠れた動詞(hidden verbs)というわけです。

たとえば、以下のように、application, determination, distributionといった名詞は、それぞれ動詞に置き換えることができます。

We made an application... ⇒ We applied...
We made a determination... ⇒ We determined...
We will make a distribution... ⇒ We will distribute...

さらに例を挙げますと・・・

例文1

悪い例
We will provide appropriate information to shareholders concerning...

この文章は"information"を動詞に置き換えることで、意味合いがさらに強くなります。

良い例
We will inform shareholders about...

例文2

悪い例
We will have no stock ownership of the company.

この文章も同様に"ownership"を動詞に置き換えることで、意味合いがさらに強くなります。

良い例
We will not own the company's stock.

例文3

悪い例
There is the possibility of prior Board approval of these investments.

この文章も同様です。

良い例
The Board might approve these investments in advance.

(引用元:A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents, P21)

ルール2:最もシンプルな動詞の形を使う

最もシンプルで強い意味を持つ動詞の形は現在形です。現在形を使うことで、訴求力を持たせ、より正確に相手に伝わります。

仮定法や未来形を多用すると、それだけ文章が複雑になり、読み手が理解するまでより多くの時間が掛かります。

悪い例
These sections describe types of information that would satisfy the application requirements of Circular A-110 as it would apply to this grant program.

上記の文章を現在形を使うことでさらにシンプルに言い表すことができます。

良い例
These sections tell you how to meet the requirements of Circular A-110 for this grant program.

(引用元:Federal Plain Language Guidelines, P22)

ルール3:人称代名詞を使う

人称代名詞を使うことで、読み手にとってさらに理解しやすい文章になります。

理由1

人称代名詞を使うことで、その文章が読み手に対して関係のあることなのか、あるいは話し手に対して関係のあることなのかがより鮮明になる。

理由2

読み手に直接訴えかけるような文章になるので、読み手の関心を惹きつける。

理由3

人称代名詞を使うことで、抽象的な表現を回避することができ、より具体的な表現になる。

理由4

人称代名詞を使うことで、文章が短くなる。

理由5

一人称と二人称は性別の特定をしないので、これらを使うことでわざわざ"he or she"という表現を使わないで済む。

以下は例文です。

悪い例

This Summary does not purport to be complete and is qualified in its entirety by the more detailed information contained in the Proxy Statement and the Appendices hereto, all of which should be carefully reviewed.

良い例

Because this is a summary, it does not contain all the information that may be important to you. You should read the entire proxy statement and its appendices carefully before you decide how to vote.

(引用元:A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents, P22)

人称代名詞を使うことで、「何が」「誰に」「どうなるのか」がより鮮明になっています。

ルール4:抽象的な表現を相手に理解させるには人の行動を使った表現を使う

特定の業界にどっぷりとはまってしまうと、知らず知らずのうちに業界外の人には理解できない言葉を使ってしまうことがよくあります。

金融業界を例に挙げますと、「ヘッジファンド」「ダウジョーンズ工業株30種平均株価」「セロクーポン債」「コールオプション」「信用取引」「空売り」などなど、これらは金融商品取引の経験や知識がない方には、何のことを指すのか分からない単語です。

"A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents"では、抽象的な概念を、人の行動を使った表現で相手に理解させることができるとしています。

悪い例

No consideration or surrender of Beco Stock will be required of shareholders of Beco in return for the shares of Units Common Stock issued pursuant to the Distribution.

太字は金融用語と言うほどでもないですが、金融の知識がない方には理解されにくい言葉ではないかと思います。しかし、この分かりにくい文章も「人の行動を使った表現」で誰にでも理解できる文章に書き換えることができます。

良い例

You will not have to turn in your shares of Beco stock or pay and money to receive your shares of Units common stock from the spin-off.

どうでしょうか?こちらの文章は簡潔でストレートな表現を使っていますので、金融の知識がない方にも伝わりやすいと思います。

(引用元:A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents, P24)

ルール5:余計な単語は省略する

簡潔な文章ほど相手に理解されやすくなります。同じ意味をシンプルな単語で言い表せるのでしたら、そちらを使ったほうが相手に伝わりやすいです。

"A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents"では、以下の単語を例に挙げています。

  • in order to ⇒ to
  • in the event that ⇒ if
  • subsequent to ⇒ after
  • prior to ⇒ before
  • despite the fact that ⇒ although
  • because of the fact that ⇒ because, since
  • in light of ⇒ because, since
  • owing to the fact that ⇒ because, since

以下は例文です。

悪い例

The following summary in intended only to highlight certain information contained elsewhere in this Prospectus.

良い例

This summary highlights some information from this Prospectus.

どうでしょうか?上記2つの例文はどちらも同じ意味ですが、2番目の文章の方は一読で理解できると思います。

(引用元:A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents, P25)

これまで5つのルールをご紹介してきましたが、"Federal Plain Language Guidelines"と"A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents"では、「相手に伝わりやすい英語」を使うための有用なルールが数多く紹介されています。

この続きは次回の記事で書きたいと思います。

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