英語の発想法を学ぶならこの教材!

相手に伝わる英語表現「プレイン・イングリッシュ」の紹介と実践方法 その1

スポンサーリンク

アメリカの政府機関では、プレイン・イングリッシュを使うことが義務付けられています。プレイン・イングリッシュとは、いったいどんな英語なのでしょうか?

スポンサーリンク

プレイン・イングリッシュとは?

英語を社内公用語としている日本企業も存在する現在、私達が英語を使う機会は10年前と比べて格段に多くなりました。

また、個人でネットショップを運営されている方であっても、扱っている商品によっては海外からの英語での問い合わせもあると思います。

たとえば、英語でプレゼンを行っても「相手に上手く伝わらない」、あるいは、自分では上手く英文メールが書けたと思っても、いざ相手に送ってみると、「こちらの意図することが全く伝わっていなかった」なんてことも多々あるのではないでしょうか。

そこで私がご紹介したいのが「プレイン・イングリッシュ」です。

プレイン・イングリッシュとは、誰にでも分かりやすい平易な単語や文章を使った英語のことです。「平易」とは言っても、決して「稚拙」ではありません。れっきとした大人が使う英語表現です。

以下はウィキペディアからの抜粋です。

プレイン・イングリッシュ(英語: plain English, 「平易な英語」の意)は、明確さと簡潔さを強調し、専門用語を回避するコミュニケーション様式の総称であり、とくに法律を含む政府の公式発表等と関係したものである。

目的は、対象とする読者に容易に理解できる方法で記述することである。その読解力と知識に適しており、クリアでダイレクトであり、陳腐な表現(クリシェ)や不必要な隠語(ジャーゴン)のないものである。(引用元:ウィキペディア

私がプレイン・イングリッシュの存在を知ったのはつい最近のことでした。

実は、私は日本のサブカルチャーを世界に紹介するためのブログを立ち上げようと思いつき、早速、英語で記事を書いたのですが、読み返してみると「英語の発想になっていない」ことに気づきました。

そこで、英文ライティングを勉強しなおそうと思って、インターネットで情報を探していた時に、偶然にプレイン・イングリッシュの存在を知りました。

アメリカ政府機関ではプレイン・イングリッシュを使うことが義務化されている

アメリカでは2010年にオバマ大統領が”Plain Writing Act of 2010″に署名をしており、今やアメリカの政府機関においては、公文書はプレイン・イングリッシュを使うことが法的義務となっています(参考元:Plain Language: It’s the law)。

アメリカの政府機関で働く人達で運営されている“The Plain Language Action and Information Network (PLAIN)”ウェブサイトでは、プレイン・イングリッシュの使い方を説明しているPDFがいくつか公開されてます。

その中でも特に詳しくプレイン・イングリッシュの使い方を説明している以下の2つをご紹介したいと思います。

※SECとは、U.S. Securities and Exchange Commissionの略で、米国証券取引委員会のことです。

上記の2つのPDFでは、「簡潔」で「明瞭」な英文を書くためのルールが紹介されていますので、このルールに則って英文を書けば誰にでも伝わる英文を書くテクニックを身に付けることができます。

また、プレイン・イングリッシュは平易な単語を使って「誰にでも分かりやすい」文章を作成しますので、ネイティブほど語彙力がない私達日本人は、このテクニックを英会話はもちろんのこと、ビジネスでのプレゼンにも応用できると思います。

プレイン・イングリッシュの例

前述の“A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents”では、これまでのSEC Disclosure Documents(米証券取引委員会提出書類)で使われてきた英語について、以下のような問題点を挙げています。

  • Long sentences(文章が長い)
  • Passive voice(受動態の使用)
  • Weak verbs(弱い動詞の使用)
  • Superfluous words(余計な単語の使用)
  • Legal and financial jargon(専門用語の使用)
  • Numerous defined terms(定義語の多用)
  • Abstract words(抽象的な単語の使用)
  • Unnecessary details(不必要な文章)
  • Unreadable design and layout(読みにくいデザインと文章構成)

例えば以下の表現です。

NO PERSON HAS BEEN AUTHORIZED TO GIVE ANY INFORMATION OR MAKE ANY REPRESENTATION OTHER THAN THOSE CONTAINED OR INCORPORATED BY REFERENCE IN THIS JOINT PROXY STATEMENT/PROSPECTUS, AND, IF GIVEN OR MADE, SUCH INFORMATION OR REPRESENTATION MUST NOT BE RELIED UPON AS HAVING BEEN AUTHORIZED.(引用元:A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents

この文章はすべて大文字で書かれていて非常に読みにくいという問題以前に、硬い表現で書かれていますので理解するのに時間が掛かりますね。また、受動態が多用されていますので、文章における主語の存在が曖昧に感じます。

しかし、プレイン・イングリッシュで書くと、同じ内容を以下のように表現できます。

You should rely only on the information contained in this document or that we have referred you to. We have not authorized anyone to provide you with information that is different.
(引用元:A Plain English Handbook: How to Create Clear SEC Disclosure Documents

こちらの文章は平易な単語が使われており、なおかつ、一つひとつの文章が短く、また主語・動詞・目的語との関係が明確ですので、誰にでも理解することができると思います。

つまり、文章はすべて能動態で書かれているため、「誰が」「何を」「どうする(どうした)」が明確なわけです。

次回の記事では、プレイン・イングリッシュの使い方について書いてみたいと思います。

英語は能動態と強い動詞を使うと伝わりやすい -「プレイン・イングリッシュの紹介と実践方法」 その2
アメリカの政府機関においては、公文書はプレイン・イングリッシュを使うことが法的義務となっています。今回の記事では、プレイン・イングリッシュの使い方をご紹介します。 プレイン・イングリッシュの使い方 それではプレイン・イングリ...