英語力上達の方法は非常にシンプルです。難解な文法書や高価な教材や英会話スクールなどまったく必要ありません。英語学習を難しいものにしているのは、他でもない「英語教育で金儲け」をしている人たちです。「上達の真実」が知られると、彼らは「金儲けの手段」を失ってしまいます。
なぜ毎月新しい英語学習関連本が発売されるのか?
私はアマゾンで本をよく購入するのですが、毎月、新しい英語学習関連本が「ベストセラー」として売れているようです。
これらの本はお馴染みの著者による「シリーズ化」された本であったり、新人さんによるデビュー作だったり様々です。
私も英語学習関連のブログを運営しているため、たまには「これは面白そうだな」と思った本を購入したりします。しかし、9割以上は小手先のテクニックを紹介している本で、「これは使えないな」と思うものばかりです。
これらの本の著者は、独学で英語を勉強された方だったり、海外留学経験者、または帰国子女や英語ネイティブです。
帰国子女や英語ネイティブは英語を教えることはできても、「英語の学び方」を教えることはできないと私は思っています。
しかしながら、独学で学んだ人や海外留学経験者は「どうやって学んだらよいのか」という核心部分を教えることはできるはずです。それにもかかわらず、その「核心部分」が明かされている本が本当に少ないと思います。
これが分からないと、いつまでも「英語力アップの秘訣」を探し求めることになり、毎年、大金を英語学習に費やすことになってしまいます。また、それ以上に無駄な時間を使ってしまいます。
英語学習の方法は昔から変わっていないはず
「英語力をアップさせるには、何か秘訣のようなものがきっとあるはずだ」と無邪気に考えている方には大変申し訳ないのですが、そのような魔法の秘策のようなものは存在しません。
そんなあなたに、同時通訳の神様と言われた國弘正雄さんの言葉を贈ります。
『言葉というのは、ある基礎的な段階にいたるまで、かなりの努力が必要です。十分間ルールの話をして、すぐに試合らしきものが出来るというわけではない。
(中略)
まして、それまで馴染んできた日本語とはまったく異質の音を口から出そうというのです。許容範囲の音が出るまでには、かなりの練習が必要です』『要するに、英語を習得することに漠然とあこがれるはするが、これといった成果を上げられない人というのは、基本技術の習得に関して、見通しが甘すぎるのです』
『バットの素振りで、フンともスンとも音が出ない段階なのに、何かコツみたいなものを教えてもらえば、プロのピッチャーの一四〇キロのボールが打てるはずだと、無邪気に信じている。そういうことがありえないのは、経験者なら誰でも知っていることです』
(引用元:國弘流英語の話しかた 國弘 正雄 著)
私は20代半ばの時にアメリカに渡りました。15年以上のアメリカ生活の中で、英語が上手い多くの日本人に出会いました。不思議なことに、彼らの中には英会話スクールに通った人が皆無だったのです。
ほとんどは学校で英語の成績が良かった人や、あるいは安価な英語教材を購入して基礎的なことを学んだ人でした。基礎的な知識を学んだあとは、多読やリスニングでインプットを強化して英語力をアップさせていました。私もそのような方法で学びました。
分厚い文法書など必要ない
私も含めて、私がこれまでに出会った「英語の上手い日本人」の学習方法には、以下のような共通点があります。
- 最初に文法を学ぶ
- 語彙力をアップさせる
- 基本単語の使い方を学ぶ
- 定型フレーズを暗記する
- 多読やリスニングによるインプットを重視する
- 音読をする
- シャドウイングやリピーティングをする
- 英語で話す機会を多く作る
- 努力を怠らずに常に上を目指す
アマゾンでは分厚い文法書がベストセラーで売れているようですが、あのようなものは必要ないと思います。
私が文法を勉強するために使ったのは、旺文社の「基礎英文法問題精講」という薄っぺらい大学受験用の問題集でした。
今ではもっと分かりやすい文法書がありますの、このような受験英語用の文法書で学ぶ必要はありません。
たとえば、以下のような中学英語の文法書で十分です。
何百ページもあるような文法解説本など必要ありません。無駄とは言いませんが、そのような本を解読するために時間を使うのだったら、多読をしたりしてインプットに時間を使うことをおすすめします。
信じられないかもしれませんが、多読をすると文法の理解度が高まります。また、語彙力もアップします。さらに、リスニング力も飛躍的に向上します。
これはどういうことかといいますと、多読を続けて行くことで英語の「語感」が鍛えられるため、英語を英語のまま理解できるようになります。その結果として、文法書を何度読んでも分からなかった英文法のルールが突如として分かる時がやってきます。
なぜかあまり紹介されない「本格派」の書籍
私は帰国後の7~8年間はほとんど英語と接していなかったため、その間、せっかく養った英語脳が崩壊して行くのを実感しました。「これではいけない」と思った私は、英語学習を再開しました。
「やり直しの英語」を勉強するにあたり、何冊かの英語学習関連の本を購入しました。なかには初心者向けのものもありますが、なかでも「秀逸な本」と思ったものをご紹介したいと思います。
文法関連
先述の「くもんの文法書」もよいですが、さらに分かりやすいと思ったのは以下の本です。どちらも似たような内容ですので、両方購入する必要はありません。
多読関連
英語の多読といえば古川昭夫さんの本がおすすめです。
発音関連
発音にかんしてはネイティブ発音を目指してしまうと、人によっては途方もない時間と労力が必要になってきます。また、人によっては一生かかってもネイティブ発音を身につけることができない場合もあります。
なので、ネイティブとまったく同じ発音を目指すのではなく、ネイティブが聞いてストレスを感じさせないような発音とアクセント、そしてイントネーションを学べばよいと思います。
音読関連
英語力のアップには、音読は欠かせません。音読の重要性を強く訴えていた方は先述の國弘正雄先生です。以下の本はシリーズ化されており、トータルで5冊あります。
私が音読の練習に使っているのが、以下の高校1年生用の教科書です。アマゾンで購入すると割高なので、私は近くの教科書取次書店でCDと併せて購入しました。両方で1600円ほどでした。
マインド&学び方のコツ関連
独学で英語を体得された方の経験談は貴重なものです。以下の3冊はおすすめです。
まとめ
私は15年以上アメリカに住んでいましたが、そのほとんどはニューヨークシティで過ごしました。ニューヨークでは多くの日本人と知り合いになりました。
4年制の大学を卒業していながら日常会話がおぼつかない人や、アメリカに住んで数年にもかかわらず、ほぼノーアクセントの英語を話す人もいました。
ノーアクセントの英語を話す日本人の多くは、女性が多かったです。男性は本当に少なかったですね。訛りのない英語を話すのは英語学習者にとっては目標だと思いますが、これは必須事項ではないです。
私がまだニューヨークの大学に通っていた頃、同じアパートに日本人の男性が住んでいました。この方は私より3つほど年上で、アメリカの大学院を卒業後、日系の会社を経て米系の会社で働いていました。私は、この人は米系の会社に勤めているのだから相当な英語力の持ち主なんだろうなと思っていました。
ある日、この方が近所のアメリカ人と話しているところに偶然私が通りかかりました。そして、私をこのアメリカ人に紹介してくれて、私も会話に加わることとなりました。その時初めてこの日本人の方の英語を聞いたのですが、当時の私ですら「英語が上手いな」と思うようなレベルではありませんでした。
ただ、この方の使う英語は平易なものでしたが、立ち振る舞いや話す内容から「国際人」という感じがよく伝わってきました。実際、この方はアメリカ人の友人が多く、大学院でのクラスメートとは毎年パーティをしていました。
これは言葉で説明するのが難しいですが、恐らくはこの方が身につけていた「日本の歴史や文化に関する知識」や「正しい日本語の知識」があったため、国際人という雰囲気を感じたのかもしれません。
アメリカに永く住むと、日本人であることを否定しているような「勘違い日本人」に出会うことがたまにあります。
本人は一生アメリカに住むつもりなのかもしれませんが、自分のアイデンティティを否定しているような人は国際人とは呼べませんし、ちゃんとしたアメリカ人からはマトモに相手にしてもらえません。