英語力をアップさせるには目と耳からの大量のインプットが必要になってきます。そして、インプットしたしたことを使う(アウトプット)ためには、取り入れた情報(英語)を記憶に定着させるためのインテイクという作業が必要になってきます。今回の記事では、確実に英語力をアップさせる秘訣をお教えします。
公立大学で行われた英語学習法の公開講座
先日、地元の公立大学で行われた英語学習法の公開講座に参加してきました。全2回、各1時間半の講座でした。
私がこの講座を知ったのは、よく利用している図書館で同講座のチラシを見たのがきっかけです。数多くのチラシが並べられている中、この講座のチラシが私の目に留まったのは「多読」と「インテイク」というキーワードがあったからでした。
インプット無くして英語の習得はありえないと私は思います。
街の英会話学校に通ったりお手軽な英語教材で勉強しても、一向に英語力がアップしない理由は「英語に触れる時間が圧倒的に足りない」からです。
私が参加したこの講座では、私たち日本人が確実に英語力をアップさせるための「目から鱗の秘訣」を教えて頂きました。
この講座で私が学んだのは、英語力をアップさせるにはインプット ⇒ インテイク ⇒ アウトプットの順番で勉強するのが最も確実な方法だということを、再確認したことです。
学習のステップ
ギターやピアノ、あるいはスポーツでもそうですが、上手くなるためには正しい習得プロセスを実践する必要があります。そして、正しいやり方を継続させる努力が大事です。「簡単」「お手軽」に習得できるものではありません。
それでは私が同講座で学んだ学習のステップをご紹介したいと思います。
インプット
同講座の先生によりますと、日本人の英語がなかなか上達しない一番の原因は、「母語の影響である」と仰っていました。つまり、日本語と英語は系統が全く異なる言語であるため、欧州人と比べて不利である、ということ。
二番目の原因は、「英語に触れる量の不足」です。
一番目の原因はどうすることもできませんが、二番目の原因はインプット量を増やすことで克服できます。
インプット量を増やすために一番手軽な方法は「グレイデッド・リーダー」を使った多読です。
グレイデッド・リーダーの選び方
グレイデッド・リーダーは5段階(出版社によっては6段階)にレベル分けされており、ユーザーの今の英語力に応じたレベルの本を探すことができます。
本を選ぶ注意点を以下に挙げます。
- 簡単すぎると思うレベルから始めること(それでも分からない単語がでてくるものです)
- 自分が興味あるジャンルのものを読む(そうでないと途中で辛くなります)
次に本を読む際の注意点を以下に挙げます。
- 辞書は使わないこと
- 英語のまま理解する(決して日本語に訳さない)
- 分からない単語は文脈から判断するように心がける
- 途中でつまらないと感じたら読むのを止める(そのまま読み続けても頭に残らないため)
- 1週間に1冊以上読む(できれば毎日続ける)
なお、グレイデッド・リーダーは文字数の割には価格が高いのが難点です。お金に余裕がない方は、図書館を利用してください。
また、グレイデッド・リーダーではなくても、ロアルド・ダールやルイス・サッカーなどの児童向けの本でも構いません。
とにかく、自分のレベルに合った本をたくさん読むのが英語力上達のコツです。
リスニングによるインプット
多読と並行して耳からも英語をインプットを行います。
教材としておすすめするのは以下です。
- NHKの「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」
- ラジオ英会話
- 映画のDVD(ジャンルは何でもよいがホラーやアクションモノはあまりおすすめできない)
先生は、NHKのラジオ講座は非常によくできていると仰っていました。NHKの番組で紹介されているダイアローグは日常でよく使われている表現ですので、頭に叩き込んでおいた方がよいです。
映画のDVDを観る際のコツ
ご存知のように映画で話されている英語はかなり早いです。聞き取れない英語をいくら聞いても理解できるようになりません。そこで、私が先生から教わった映画の英語を聞き取るコツをお教えします。
- 自分が過去に観たことのある映画や好きなジャンルのものを観る
- 英語字幕を出して映画を観る(耳と目の両方からのインプット)
- 映画のスクリプト手に入れる
- 何度も観て、たまにはセリフをオーバーラッピングしてみる
- 映画の音声を消し、英語字幕を見ながらセリフを言う
インテイク
「インテイク」とはインプットした英語を記憶に定着させることです。アウトプットするためにはインテイクの作業が重要になってきます。
私が公開講座で学んだインテイクの方法は以下になります。
- 音読をする
- スクリプトを見ながら映画の場面に合うように音読する(オーバーラッピング)
- スクリプトを見ずに聞き取れた音声を声に出して言う(シャドーイング)
先生は、大学の講義で学生たちに映画の一場面を使って、クラスの前でロールプレイをさせているそうです。
覚えたことを実際に使ってみるということで、その表現が自分のものになるのだと思います。
アウトプット
さて最後のアウトプットですが、これは実際に英語を話したり書いたりすることです。
英語を話すと言っても話し相手がいなければアウトプットできませんので、お手軽な方法として以下の2つを例に挙げます。
- 学んだ英文からキーワードを拾い出して、キーワードだけを見ながら全体の文章を言う(あるいは書く)
- 読んだ物語のサマリーや感想を英語で書く
慣れてくればスカイプを使ってネイティブと会話すれば、アウトプットは鍛えられると思います。
まとめ
今回の公開講座で学んだことは、私にとって一生の財産になりました。なぜ日本人の英語力はアップしないかという、長年の「ナゾ」が解けました。
冒頭でも申し上げましたように、日本人は欧州人と比べて不利な立場にいます。さらには英語に触れる量が圧倒的に足りません。
従って、英語力をアップさせるには目と耳からの大量のインプットが必要になってきます。そして、インプットしたしたことを使う(アウトプット)ためには、取り入れた情報(英語)を頭に定着させるためのインテイクという作業が必要になってきます。
これらをトータルで実践することで確実に英語力がアップします。英会話スクールや高額な教材など必要ありません。重要なのは「学び方」と「継続する意志力」です。
この記事の締めくくりとして、マクドナルド創業者のレイ・クロック氏の言葉をあなたに贈ります。
やり遂げろ – この世界で継続ほど価値のあるものはない。才能は違う – 才能があっても失敗している人はたくさんいる。天才も違う – 恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。教育も違う – 世界には教育を受けた落伍者があふれている。信念と継続だけが全能である。