日本で働いている人で、将来アメリカで働きたいと思っている人は結構多いと聞きます。特にIT関係の仕事をしている人は、「アメリカで勝負してみたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。今回の記事では就労ビザの取得方法について私の経験を交えてお話します。
留学して就労するのが一番多いケース
私は日本では高校しか卒業しておりません。そして、残念ですが高卒というだけではアメリカで就労するのはかなり難しいです(起業でもしない限り)。
そこで私が取った方法は「留学」でした。
私が大学を卒業したのは90年代後半でしたが、その当時はH1-Bビザは簡単に取ることができました。しかし、2000年以降、段々と取得が難しくなってきているようです。
年々就労ビザの取得が困難になっているのは事実ですが、そもそも就労ビザのスポンサーをしてくれる企業がかなり少なくなってきているようです。
その理由として、わざわざ就労ビザをスポンサーしなくても、「永住権を持っている日本人の人材が多くいる」という話をあるヘッドハンターの方から聞いたことがあります。
とはいっても、たまに求人サイトで探してみると今でもビザのスポンサーをしてくれる企業はあるようですので、希望を捨てる必要はないと思います。
私はアメリカの大学と大学院を卒業しておりますので、OPT ⇒ H1-Bビザ ⇒ 学生ビザ ⇒ OPT ⇒ H1-Bビザ ⇒ 永住権という流れで来ました。
OPTとは、Optional Practical Tradingの略で、アメリカの大学(4年制)や大学院を卒業したら申請できる。そして、その期間中、アメリカで働くことが可能。多く場合、この期間中にH1-Bビザをスポンサーしてくれる会社に就職して就労ビザを取得する。
今でもこの流れで就労ビザを取得して、永住権を取得するのが一番多いケースだと思います。実際、私の周りでもこのようにしてビザと永住権を取得した人が一番多かったです。
もしあなたに本当に実力があって、絶対にアメリカで働きたいと思っているのでしたら、起業するのも手だと思います。
私が永住権取得でお世話になった弁護士さんから聞いたところ、「最近は、ロサンゼルスでスタートアップのビジネスを始める日本人のビザ取得のサポート多く手掛けているんだよ」と話していました。
起業するわけですからもちろん資金が必要ですが、この弁護士さんによりますと、だいたい20万ドルくらいあればよいとのことでした。
私がOPTを取得したときのお話
今ではOPTは2回取得できるようですが、私がOPTを取った時は人生に一度しか取れないと言われていました。
大学院卒業間近の時に、OPT申請書のサインをもらうためにInternational Student Adviserのところへ行った時のことです。
「私にとってはこれが2回目のOPTなんですよ」と私が言った時、このアドバイザーから「なに?これは人生一度限りのものだから2回は取得できないんだよ。なので、書類にサインはできない」と言われました。
この人にとっては、たんにサインするかしないかのことですが、私にとっては一生が掛かっていましたのでそう簡単に引き下がるわけには行きませんでした。
さらに知り合いのヘッドハンターの人から「2回取った人もいるという話を聞いたことがあるよ」と聞いておりましたので、サインをもらうまで絶対に諦めるわけにはいきませんでした。
そこで私はこの担当者からサインをもらうまで、毎日彼のオフィスに通って朝から夕方まで延々と説得し続けました。
5日目だったと思いますが、「お前は一日中ここにいるじゃないか!一体いつまでここにいるつもりなんだ!」と彼に言われました。そこで私は、「ええ。ずっとここにいますよ。あなたがこの書類にサインしてくれるまではね」と言ってやりました。
すると、とうとう最後は向こうが根負けして渋々書類にサインをしてくれました。「まあ、サインはしてやるが、お前、2回目は絶対に取れないからな」と捨て台詞みたいなことを言いながらサインをしたのを今でも覚えています。
でも2回目のOPTはちゃんと取得できました。アメリカで生きて行くにはやはり交渉力が必要なんですね。主張せずに黙っていては物事は進みません。
永住権取得について
アメリカに永住したい場合は、永住権を取得するのが一番妥当な方法でしょう。
私の場合は前述しましたように、H1-Bビザから永住権の申請・取得でした。
最近の事情はよく知りませんが、私が永住権を申請した時は、アメリカの大学院を卒業していると永住権の取得までの期間が大学卒と比べてかなり短かったです。私の場合、申請から2年くらいで永住権を取得できました。
私がニューヨークに住んでいた時によく通っていたお寿司屋さんオーナーさんは、E2ビザというのを取得されており、それを5年ごとに更新されていました。この種類のビザは、お店が倒産しない限り半永久的に更新可能なので、わざわざ永住権を申請する必要がなかったとのことでした。
このビザはお店や会社のオーナーにならないと取得できませんので、それ以外であれば永住権を取得するのが現実的でしょう。
永住権を取得する方法他にもあります。アメリカに永く住んでいますといろいろな方法で永住権を取得した方に出会いました。
次では、私の知り合いの方たちのお話を紹介します。
宝くじ(Lottery)グリーンカードに申し込む
私はアメリカに住んでいた時、毎年これに応募していましたが、残念ながらすべて外れました。
でもなかにはラッキーな人がいるもので、宝くじグリーンカードに当選した人に5人くらい出会いました。
その中でも私の同僚だった中国国籍の男性の話はいまでもよく覚えています。
彼には日本人の奥さんがいたのですが、中国国籍である本人は応募できないため、日本人の奥さんが応募されました。そしたらなんと見事当選!しかも、応募したのは締め切り直前で、ダメ元で応募したらしく、タイプもせずに手書きの書類を送ったと言っていました。
日本人の奥さんと結婚していなければ応募さえできなかったのですが、なんという幸運でしょうか。
最も簡単に永住権を取得する方法
アメリカの永住権を取得するにあたり、もっと簡単な方法はアメリカ国籍の人と結婚することです。この方法で永住権を取得した人を私は何人も知っています。
私の知人の女性も、この方法で永住権を取得しました。彼女は元々日本に住んでいたのですが、当時交際していたアメリカ人男性との結婚を機にアメリカに行くことになり、永住権を申請しました。申請から取得までの期間はなんとたったの半年でした。
私の経験から言えることは就労ビザや永住権を申請する場合、移民弁護士選びは慎重に行った方がいいです。
結婚による永住権申請に関しては、それほど弁護士の手腕が問われないと思いますが、それ以外の方法で申請する場合、移民弁護士の手腕によっては簡単に取得できたりできなかったりするようです。
学生や会社員をやったりしながら私はトータルで16年間ほどアメリカに住んでいましたが、やっぱり日本の方が生活しやすくて、また自由があっていいですね。
「日本の方が自由がある」というと疑問に思われる方が多いと思いますが、アメリカでは「ポリティカルコレクトネス」といって、言いたいことがあっても口に出すことができなくなってきています。
つつづく日本に生まれ育って良かったと思います。
あと、日本ではコンビニ前や夜の電車のなかで缶ビールや酎ハイを飲んでも大丈夫ですが、アメリカではこんなことは絶対にできません。
それはともかくとして、今は日本を拠点として、出張ベースで海外に行く生活スタイルが結構気に入っています。